99%の誘拐

99%の誘拐 (講談社文庫)

99%の誘拐 (講談社文庫)

■数年前に本屋大賞だったかこのミスだったかで評価されてた本だったので、てっきり最近の本だと思ってたんですが、読んでみたらパソコン通信とか出てきてびっくり。もとの本は1988年の作品なんですね。
■こういう技術モノは時間が経ってしまうと若干不利ですね。パソコン通信なんて使ったことないです。今ならもう少し色々とできそうだがすぐにばれそうだ。パソコンはもはや魔法でも不思議でも特殊技術でもない。全体のリテラシは確実に上がってるし。時代ものと思って読んでしまえば良いのですが。
■そんなわけかそうでないか、あまり楽しめなかったです。そういう時代背景分を差し引いてもミステリとしてそんなに完成度は高くないと思う。あまりにも最初から書きすぎるから叙述トリックかなぁ?と思いながら読んでいましたが、そんなこともなく、淡々と普通に終わってしまった。古畑みたいに犯人を追い詰めるでもないし。一発のトリックに囚われすぎで文学になってない気がしました。ミステリに文学を求めるのもどうがと思いますが。
■展開が気になることは確かで読みやすいので2日くらいで読み終わるので暇つぶしには良いかと思います。でも本棚に並べておきたくなるためには、それだけでは足りない。言いたいことか人間の重みか何かがほしいです。

★★☆☆☆