海の向こうで戦争が始まる

海の向こうで戦争が始まる

海の向こうで戦争が始まる

限りなく透明に近いブルーの続編と書かれていた。あの本は、限りなく透明に近いブルー - 歩くパンケーキたちで全く理解できないと書いたもの。いっその事衝撃的なくらい意味が分からなかった。だからこの本は不安一杯抱えて読みました。
■でも、良かったです。これは村上龍の文章が変わったのか、私が変わったのか。たぶん自分の側が変わったのでしょう。日付を見たら限りなく〜を読んだのは3年近い昔のことだし。許容範囲が広がったのかな、鈍ったのかな。まぁより多くのものを面白いと思えるのは悪くない、かな。…つまらない大人になってるってことかもしれないけど。
■ちゃんとした筋道があるわけでもない話です。ただただ描写があって、艶かしくて苦しいんだけど、それが何かリアルだった。むかつくんだけど、不快な気があまりしなかったです。限りなく〜を読んだときは、きっとこれをそのまま不快と取っていたんだろうと思う。この文章なら単なる物語としてじゃなくて意味が分からない話でも良いと思う。村上龍とか村上春樹とか。

★★★★☆