本格推理委員会

本格推理委員会 (角川文庫)

■長く電車に乗る前に読んでいた本を忘れたことに気がついたので軽く読めそうなものを買ってみました。軽そうな理由は表紙…です、すみません。なんていうか普通の文庫なのにライトノベルっぽいという。前にもこういうの読んだなぁ→黄色い目をした猫の幸せ - 歩くパンケーキたち、銀の檻を溶かして - 歩くパンケーキたち
■中身は想像より面白かったし、深かったけど、意外に重くてサラサラ読むために買ったのにサラサラ読めなくてちょっと時間がかかりました。キャラクター造形とか話のテンポとかは結構ライトノベルっぽいんですが(偏見ですみません)、物語の芯の部分はしっかりした構造です。最後のオチは最後まで気がつきませんでした。トリック自体はチープだけど、それは罠でしか無いようです。
■ただ、主人公がグチグチしすぎてて長いのは好きじゃなかったです。能天気なのが良いとは思わないけどこれはちょっと読みにくい。一人称は時にイライラさせられます。主人公君、嫌いじゃないんですがね。逆に良いなぁと思ったのは主人公の母親。そんなんいないよ！っていう設定なんですが、最後の方で主人公と会話するシーンがとても印象に残りました。やっぱり話さなきゃ伝わらないものもあるなぁと。正直ゾクゾクしました。この話はあの場面が全てではないかと思うほどです。だからこそ、もう少し切り詰めたらより良くなるのではと思ってしまうのですが。

★★★☆☆