少年ラジオ ― キャラメルボックス

演劇集団キャラメルボックス 2006クリスマスツアー 『少年ラヂオ』
■観てきました。と言ってもこないだの土曜日(12月9日)の夜の回。REDキャストです。自分で取ったチケットじゃないですが、前から3列目(席番号は5列目)のセンター付近。とってもいい席でした。その日のうちに書かなかったら書き忘れるところでした。
■というのは、別につまらなかった訳じゃないです。単純に忙しかった(PC買ったりね)だけです。でも、抜群に面白かったかと聞かれたら、ちょっと首を捻ってしまうかも。先に行った人も言ってたとおり、良くも悪くもいつものキャラメルでした。以下若干ネタバレ注意。
■舞台は大正末期。孤児でスリの少年がある人物からスリをしたところから始まる冒険ファンタジーってところですか。スピード感があってドタバタドタバタして、ワクワクさせて、笑わせるところでしっかり笑わせて、で、最後に落として泣かせて終わるってやつです。ただ、今回は少し最後が弱かったのか私の気分か、最後では泣けませんでした。誰が主役なの?っていうまとまりが甘いストーリーのせいかと思うんですが。結構前から応援してる畑中智行さん(ラヂオ)主演ってことを期待して行ったせいもあるかも。最後は大内厚雄さん(明智)主役じゃないかーってお話でした。っつーかおいしいところ持って行きすぎ。大内さんも好きなんだけどね。理系っぽくて。最初出てきたときは明智に似合いすぎで笑っちゃったし。でもなぁあのラストは、ちょっと前に展開が読めてしまうし、ベタすぎるし、グダグダと。語らないほうが良かったんじゃないでしょうか(収集つかないかな)。
■いや、十分面白かったし楽しめたし満足してるんですが、キャラメル好きなだけにちょっと辛口ってことで。すごく楽しめた方ごめんなさい。
■以下思ったことをつらつらと。かなりネタバレかも。
■畑中さんは主役だけど少年っていういつものようなポジションでした。確かにキャラメルだとこの系の役は彼くらいかなぁ。私は好きです。出っ放しで大変そうでしたが(っていうか主役級はみんなそうですが)、良い演技だったんじゃないかと思います。もうちょっと、グラグラくるものがあれば…良いのですが、それはまぁストーリーも音楽もみんな噛み合わなくてはならないので。スリの演技がスローモーションになるところが面白かったです。演出か?かっこよかったです。こういうちょっといたずらっぽい演技良くやってるよなぁとか。
■大内さんは、本当美味しい。明智(偽名だけど)似合いすぎ。何回でも書かずにはいられない。しかし全体的にこの役は臭すぎやしないか。それがキャラメルだから良いんだけど。個人的にはブラック・フラッグ・ブルースのキャプテンが一番はまってたんじゃないかと思ったりする(単純に大阪弁が好きなだけかも)。技術者ジレンマでしたね。思わず帰ってからジェットエンジンについて調べてしまいました。ボーイング社よりもイギリスとかドイツで先に作られたっぽい(ジェットエンジン - Wikipedia)。普及したのは戦後っていうことで、この話的に言えば、間に合った、ってことなのかも。
■岡内美喜子さん(美汐)はよくありそうな感じ。重要キャラでした。菅野良一さん(筑紫野)とのペアがとっても良かったです。ただ、最後の方のホテルでのシーンは一瞬殺意を覚えたです。ここでストーリーが読めたし。
■岡田達也さん(潔)は超悪役。これもまた凄いはまってるなぁ。岡田さんは最近良い人やってるときと悪い人やってるときのギャップがでかいよ。夏の公演の良い人はどこに行ったのか。でも個人的には悪役岡田さんが好みです。裏のありまくる冷たい人に似合う。最後の山(名前忘れた)でのシーンが凄かったです。
■あとは一言ずつ。
■温井摩耶さん(朋子)は見事。役そのものに見えました。三浦剛さん(大牟田)は意外に良い奴…ってこないだもこんな感じの役をやってなかったっけ?菅野良一さん(筑紫野)は思いっきり弄られキャラ。しかし似合ってる。かなり汗かいてたけど大丈夫なのかなー(ダイエット?)。岡田さつきさん(藤子)は相変わらず面白い青山千洋さん(つるよ)と共にネタ担当か。さりげなく作戦本部でいねと仲良くなってたのに笑った。坂口理恵さん(いね)はヤバイくらいかっこいい。ぜひ弟子にして欲しい。こういう演技好き。佐東広之さん(金之助)、實川貴美子さん(夏)、阿部丈二さん(林太)は3人セット。キャラメルではよくいる感じ。普通でした。阿部祐介(田川)はもう何者なのか…笑ったけどさ。でもこのタイトル的に大事な役なのだろう。渡邊安理さん(コテツ)は最初妹かと思っちゃいました。可愛い。この兄弟関係が結構好きでした。
■音楽はそんなに印象に残らなかったけど、舞台上で歌われた歌は良かったです。照明は最初、劇場で始まる前に置かれたラジオに降りてたスポットがかなり好み。そんなに目立たないってところがまた良い。舞台は階段が凄い、に尽きます。本物みたい。でも席のせいか途中でかなり前後に圧縮されているのに気づいてそれに結構目が行ってしまいました。単純にこういう技術あるのかーって興味だったんですが。
■それから。買わなかったんだけど、ちょっとサンプルを見たトーク&フォトブックがとてもかっこよかったです。写真集みたいな。欲しかったんだけどお金が…。2000円ってのは高いんです。もう1000円出せばもう一回見にこれちゃう(半額で)ってのがあるから。レンズにお金かけすぎたか…。2回目で凄く好きになる作品もあるのでできたらもう一回行きたいのですが時間があるか分かりません。年末なので。

★★★☆☆