クビキリサイクル

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

■西尾維新が面白いよと言われたのでちょうど読むものもないし読んでみました。ノベルス版はちょっと高いのですが、文庫が出てない以上しょうがないです。
■ちょっとライトノベルなノリの普通のミステリーでした。まぁライトノベルなノリってのは予め聞いていた先入観のせいとイラストのせいかも。最近はこういう感じの文章は多いし別に嫌いでもない。雰囲気としては森博嗣っぽいと思いました。理系的なギミックが多いです。その割には日本語も難しい言葉が戯言的に使われるのでとても知識の広い作家なのかも。しかし、私はここまでやられると却って引いてしまうかなと感じました。私は工学系理系なので別に良いと言えば良いのですが、本を読むときはこういう方向の知識が欲しい訳でもないので、作品上必要が無いのなら描きすぎは知識自慢のように見えてしまうのかなと。背景描写が作品を深めるという面もあるので微妙なところなんですが。
■ミステリーとしては最初にあきれるくらい簡単な仕掛けを作って、２つ目３つ目と段々難しくなって、最後に引っくり返して引っくり返して、というところ。個人的には、最初のがあまりにもくだらなすぎて拍子抜けしたのと、最後のどんでん返し部分にそんなに衝撃を受けなかった(分かっていたわけではないけど)ので、ミステリーとしてはまぁまぁ普通という感想を持ちました。探偵役＝僕なので推理が描写されすぎるのもちょっと…読みにくい感じでした。
■マイナスばかり書いてますが、これは期待が大きかったので。全体としては普通には読める読まされる作品でした。中盤あたりからは一気に読まされるパワーがありました。２冊目が良いという話を聞いたので次を読んでみてまた感想を書きます。

★★★☆☆