緋色の記憶

緋色の記憶 (文春文庫)

緋色の記憶 (文春文庫)

トマス・H.クックは初めて。裏表紙のあおり文が面白かったので期待して読みました。予想より面白くなかったです。
■初めの方はじわじわくる恐怖というか締め付けられる感と綺麗な文章に凄いと思いながら読んでて楽しかったのですが、ずっとそればかりなので、徐々にうんざりしてきました。しかも期待を永遠させておいて最後のオチがそれかよ!と。もう少し凄惨な話かと…。ミステリー的にはそれじゃオチも何もないのですがね。
■確かに、誰が致命的に悪いわけではない。人間の感情の恐怖、そういうものはよく出てて、怖いことは怖いし、よく書かれているとは思いました。解説の「雪崩を精緻なスローモーションで再現するような」は正にその通り。読んでること事態がゾクゾクさせられる文章です。が、幾分長すぎます。半分くらいの長さだったら、と思う次第です。

★★☆☆☆