アイランド

アイランド 特別版 [DVD]

アイランド 特別版 [DVD]

■軽いSFが見たくて。
■予想に反してなかなか楽しめました。ツッコミどころはもう沢山あるのはアルマゲドンと同様なんだけど、細かいところ投げ捨てて広い心で雰囲気を楽しむと面白い。
■下敷きにしたネタがある?とか言われてるようですが、私は知りません。ありがちなネタだなぁとは思ったけれど、地上に出てから云々を長めに描いたところはちょっと今まで見たこと無い気がしました。SF経験が浅いので何とも言えないところですが。
■以下かなりネタバレ。これは知らないで観たほうが全然楽しめると思う。そういうことだったんだ…と思ったときの整合していく符号の感覚が気持ち良い類の映画です。
■前述のとおり、話題としては新しくはないけれど、作りの丁寧さが映画を支えてます。前半の工場(?)の部分のリアルさ、地上に出たときの空間の開放感、アクション、最後ラスボスを倒して開放されて終わること。基本を抑えてる感じです。物語も綺麗な起承転結。ただ丁寧に抑えすぎてテンポが損なわれてることが残念。詰まらないわけじゃないのに長いなぁと思ってしまいました。ツッコミどころが多いって言ってる割に矛盾してるようですがもっと削ってスリム化して良いと思います。スピード感が欲しい。見せる映画だけに勿体無いです。どうせ細かいところは放置なんだからもっと思い切って…。
■んー、結局のところ、クローンってのは微妙な問題なんだと思いました。作ったもの、自分が所有者なら相手に感情があろうと殺して良いのか?私は人間リンカーンの行動も分かる気がしました。我々人間の大部分は動物を食べます。植物はもっと多くの人が食べ殺します。映画の中でも感情の無いクローンを植物に例えてたけれども、雑草を抜くことに抵抗感を持つ人ってそんなにいないと思います。じゃ、どこで線を引くべきなのか。クローンはどっちに入るのか。語りつくされた話題かもしれませんが、私はこれに対する納得のいく回答を見たことがありません。
■ってか、クローン2人は逃げるときに物凄い数の人間を殺してたようだけど、そこのところはどうでも良いのでしょうか?殺されそうならその前に殺して良いのか?じゃ巻き込まれた人は?本編で提示したかったこととは全然関係ないでしょうがあれだけ派手にやられると気になってしまいます。実際その立場になってない人間が何を言うかってことになりますが、私なら沢山の人が死ぬんだったら自分1人で済むなら、そんなに生に執着しないかなと思います。
■蛇足かもしれないですけれど、どうしても気になるツッコミどころ。えーと、何故に人間リンカーンの記憶がクローンリンカーンに流れ込んでたんでしょうかね?他のことは偶然などで片付けられそうな気がしましたがこれだけは…。放置かよ!と思っちゃいました。
■それから役者の面でオイシイ映画。ユアン・マクレガーは分かって観始めたけど、観てたら知ってる顔が出てくる出てくる(笑)違う部分で楽しめちゃいました。印象的だったのはスティーブ・ブシェミ。この人は同じくユアンビッグ・フィッシュで観ました(big fish、ティム・バートンは天才かもしれない - 歩くパンケーキたち)。アルマゲドンにもいたか…。毎度ながら良い演技っつーかこういう感じのしょうも無い役が上手すぎる。まぁ今回は珍しくかなり良い奴でしたけど。さらに、こんなところに!なショーン・ビーン。それから、マイケル・クラーク・ダンカングリーンマイルのコーフィーだぁ!と思い大興奮。そんなに沢山出番は無かったけど目立ってました。スカーレット・ヨハンソンは初めてかなぁと思ってたらロスト・イン・トランスレーションで見てました。あれは映画自体がだめだったので、それしか印象が無いですね。
■音楽も非常にかっこいいです。前半はあまり気にならない抑えられた音楽ですが、後半アクションに火がついてきてからのテクノ調の音楽はかなり好みです。スティーブ・ジャブロンスキーという人が音楽担当。スチーム・ボーイパイレーツ・オブ・カリビアンアルマゲドンパール・ハーバーと大作にたくさん関わってる人だそうです。
■それからどうでも良い事かもしれませんが企業の宣伝が凄い気になる。プーマ、ノキアX-BOXなどさり気無くじぇない勢いで書いてある…。これってどれくらい宣伝費出してるのかなぁ。

★★★☆☆