停電の夜に

停電の夜に (新潮文庫)

停電の夜に (新潮文庫)

■なんとなく面白いかなぁと思って手に取ったのですが、予想外に重い話が多くて途中で読むのをやめていました。今日、ちょと時間が取れたので最後まで読みました。
■文章は悪くなくて、海外ものにしては読みやすいです。ただ、インドの文化(作家がインドの方だそう)がかなり背景に色濃く出ていてそれがちょっと馴染めなかったです。世界だけ違う世界ならばそんなに変にも思わないでしょうが、何かこれは違って思想の根底というか染み付いたものがあるような気がする。別にそれは作品としては間違っていないのですが、何か分からない。
■それから話が全体的に重くて。しかも突然に投げ出される話が多くて気持ち悪かったです。救われてるのか救われてないのか分からない。
■ただ、最後に入っている話だけは好きでした。魅力的なキャラクターと心の動きが噛み合ってて読んでてすっきりしました。これのお陰で全部の後味は良いです。全部がこういう話なら好きなのになぁと思います。
★★☆☆☆