そして誰もいなくなった

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

■たまには基本を読もうのアガサ・クリスティ。子供のころに「ABC殺人事件 (偕成社文庫)」を読んだことがあるだけだなぁと思って。割と普通には面白かった記憶。でも古い基本を読む企画ってあまり楽しめた経験がないので、どうかなと思いつつ。やっぱり本というのはある程度は時代を反映しているものだと思います。なのでその感覚だ極端にずれてしまうと辛いことも多いです。
■が、これが予想に反して非常に面白かったです。凄い…。これはミステリーの最高峰って言われるのが分かるという作品でした。
■もう掴みの部分からがっと鷲掴みされる感じです。舞台設定が巧妙で惹きつけられる。それに語られつくされているかもしれませんが、計算しつくされた展開が凄い。無駄が無いのですね。最後の最後、終わったあとに種明かしをされるのも面白かった。いつもの如く犯人の予想は全くつけずに読んでたのでそうかーとか思いつつ最後を読みました。そして誰もいなくなった、正にこの響きにぴったりな雰囲気でした。
■難点としては、登場人物が多すぎて名前とキャラクターが覚えきれない…。単純に私が頭が悪いのかもしれませんが、外人の名前って覚えにくいし、似たようなキャラとか設定を持った人がいるので、数ページに1回ずつ本のカバーの見返しについている登場人物表を確認しながら読まなくてはいけませんでした。これはちょっと疲れる。
■とはいえ、とっても面白かったことに変わりなし。もう少しアガサ・クリスティミステリーを読んでみたいと思います。

★★★★☆