噂の男

噂の男
■本日2本目演劇。初ケラリーノ・サンドロビッチです。@渋谷パルコ劇場。19:00からの回です。チケットは手に入らないと諦めていたのですが、チケットぴあにて手に入る!と昨日友達が2人分取ってくれたので(ありがとう!)観れました。
■わけ分からない。でも凄い凄い。苦しくて残酷で怖い、でもそれに段々巻き込まれていく。この感覚が何なのか説明できません。ケラさんは台本は読んだことあったんだけど、本物は(作は違うけど)もっと凄い。
■役者がみんな上手くて、舞台もみんな凄くて、あまりにも完璧で安心できるような劇でした。でもそのできた劇自体は非常に不安定で危うい。演劇って化学反応だなぁとか柄にもないことを思っちゃいました。
■途中でスクリーンがバンっと出てきたところは凄かったです。完全暗転だったので全然気がつかなくて映された瞬間にびっくりしました。何箇所かで利用されてましたが文字で語られるものが上手く表現されてて上手いなぁと思いました。
■笑わせるところはひたすら面白かった。最大のヒットは「喜怒哀楽をすべて笑顔で表す〜」でした。上手い!でも段々「笑う」ことが怖くなる(ストーリーの流れ的にね)。それもまた策略の内?と思ったんだけど考えすぎかな。私は中盤くらいから笑うことを投げ出したくなりました。舞台上にあるドアの向こうから聞こえてくる効果音を使った、この演出は本当に見事でした。最後に別の声に変わるところも…。怖いと言えば、水道の流れる音もやばかったです。暗転は卑怯。暫くお風呂に水溜められないから…。
■結局、私の結論としては、この劇は解釈を拒否している気がします。意味不明なわけじゃない、全部がオカシイんじゃない、でも狂気だ…、だけどそんなことはどうでも良いんじゃないかと。そしてそういう振り切れたとこにある何かが面白い。そこにあるのは確かに面白い。上手く表現できないけど、ぐるっと回って意味分からないところに戻って来たみたいな。
■ただ少々不快だったのは…本人に悪気は無いのでしょうが斜め後ろに男の人で超笑い声の大きい人がいて…、全部に笑うわけじゃないんですが、その人の声が大きすぎるおかげでその度に集中が削がれて嫌な感じでした。笑うなとは言えないのですが。それからスタッフロールみたいなが流れている時に携帯を開いている人がいて。暗かったのでバックライトが目立っててそっちに目が一瞬行っちゃって嫌でした。用事があったのかもしれませんが、もう少しなんだから待ってよーと。
■リンクしていただきました。様々な方の感想から劇についてまで色々読めて劇が一層楽しくなります→噂男 パルコ・プロデュース公演「噂の男」を勝手に応援するブログ。
★★★★☆