波のうえの魔術師

波のうえの魔術師 (文春文庫)

波のうえの魔術師 (文春文庫)

■結構読んでる石田衣良です。前に読んだ本に時間を取られたのでさくっと読みやすいものの鉄板を探したらこうなりました。
■株の話、ですが、そんなことへの知識がほとんど無くても読めます。面白い。爽やかで鋭く締まった感じの、池袋ウエストゲートパークシリーズに通じるような石田衣良らしさが良く出ています。単に大成功だけじゃないちょっと苦い、でも後味の悪くないラストも見事。こうなるとは思わなかった。読みやすいけれど、無味乾燥でつまらない文章じゃないってのは何でも無いようなことですが実はすごいと思うこの頃です。
■また、主人公の男の子とか魔術師のおじいさんとかが魅力的。下町の町の雰囲気も実際には見たこと無いのに見えちゃうような感じです。これもウエストゲートと一緒だなぁ。4TEENはイマイチだったので石田衣良はこういう青年くらいを書くのが上手いのかもしれない。
■株に関しては、正直知識がほとんど無いので…。どこまでが本当の日本の事実を書いてるのか分かりません。こんなに上手くいったりするんですかねー。はまったら怖そうだ…。あと最近はやりのインサイダー取引が出てきてちょっと面白かったです。保釈金5億って…サラリーマンの生涯給料は2億だっけ?
★★★★☆