ZOO

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乙一は一時かなり立て続けに読んでました(この辺)が久しぶりです。この本凄いよーと言われたので貸してもらいました。
■期待が大きかったせいか全体の印象はぼちぼちというところです。無難な感じではあるのですがそんなに惹きこまれて読まずにはいられない感じではない。短編集だからかもしれませんが。読みやすいので一晩で読み終わったのですけど。何というか…全体的に後味が悪すぎる。ミステリーでは無くて、言いたいことがあるわけでも無くて、ちょっと思いついたものをサラサラと買いた感じなのかなー。失礼かもしれませんが、読んだ印象がそうでした。エグくても何か言いたいことがあるのであればまた違うのでしょうが、私にはその主張が見えませんでした。
■文章は安定してて上手いと思います。飛び抜けた突飛な何かはないけれど読ませる文です。普通だけど面白みのない文でないところは好きです。あーでも、私の感覚がおかしいのかもしれませんが。ミステリー的仕掛けじゃない部分で登場人物の性別がわからなくて混乱したことが何度か。気になったのはそれくらいです。
■個々の感想も少し。「カザリとヨーコ」は痛い。こういうのは好きじゃない。「血液を探せ!」はギャグっぽいんだけどギャグに成り切れてないのがちょっと辛い。「陽だまりの詩」はSF調。展開が途中で読めたけど好きです。「SO‐far そ・ふぁー」は何かなぁ…。後味が悪い。「冷たい森の白い家」はちょっとヤバイ感じ。これも割りと好き。「Closet」はありがちかもしれないけどミステリー的に2回読んでしまった。どっかで読んだ感じであるのが残念。「神の言葉」も割合好き。こういう救われなさは良い。ループ感も。「ZOO」はさっぱり分からない。何?「SEVEN ROOMS」これが一番好き。映像が浮かぶ。ちょっと映画「CUBE」を思い出す感じではありますが。最後が切ないー。乙一っぽいです。「落ちる飛行機の中で」はいまいち。これも分からないです。
■あと全然知らなかったのですが映画化されてるみたいです。「ZOO」公式サイト。「SEVEN ROOMS」は映画的だなぁと読みながら思ったので見たいです。閉塞した感じが上手くでてれば面白いと思う。DVDが出てるそうなのでレンタルでもしてみます。
★★☆☆☆