四日間の奇跡

四日間の奇蹟 (宝島社文庫)

四日間の奇蹟 (宝島社文庫)

■借りて読みました。…泣けなかった。
■ベートーベンの月光を聴いてから読めと言われたので聴いてから読んだのですが、この聴いた月光が有名な部分を抜いたものだったのが失敗だった…。肝心のところの解説がよく分からず…音楽的知識の無さも原因でしょうが。
■あ、映画はタイトルくらいは知っていましたが全く予備知識無し。ピアノの話だってのとポスターの絵のイメージだけで読み始めました。ちょっと思ってた話を違っててあれ?と思いながら読んでいました。
■なんていうか書きすぎなところがあまり好みでないのかなぁと思います。このミスで賞をもらったそうですが、ミステリーとしては弱いような。伏線っぽいのがありますが明らかに伏線な感じがしてしかも速攻で拾われるので薄い印象がしてしまいました。それから中盤あたり特に心情を書きすぎている雰囲気もあって、の割りに事故の描写がさらっとしすぎていてうそ臭かったり、ちょっと読むのに疲れてしまう。心情を書くっていうことは具体化できないものを具体化するってことで微妙なものであってもズレが気になるんだよね。さらさらっと読める割に読みにくい文がたまにあって、読み直さなくてはいけなくてちょっと嫌でした。主人公の設定のせいかもしれませんが、明らかにみんなが知っているような脳の説明にページがかなり割かれてたりその割りに音楽関係は専門用語的なのがポンッと出てきたり。正直、自分の背景になる部分の知識と作者の考えとに隔たりが見えてしまいましたです。…後半は夜中かけて一気読みをしてしまいましたのですけれども。見えてても実物になるまでは不安なもので…。
■落ちもそんなに衝撃的な訳でもなく。芯はしっかりしているのでそんなに詰まらないという訳では無いですが、良くも悪くも王道的作品。映画化にぴったりーって。
■そういう偏見のせいかもしれないですが、死を目の前にしての、そういう心情がありがちに書かれすぎているような。幸いにもそういう立場になったこともそういう人の近くにいたことも無いので、実際人間なんてこんなものかもしれませんが、もっと何かあるような気がしました。
■まぁ私がそう思うのは、私がピアノどころか楽器は一切弾けず、楽譜も侭ならず、クラシックの知識もほとんど無いという人間だからともあると思います。結婚もしたことないしね。事故で夢を絶たれたこともない。ピアノが弾けたりそういう心境が分かる人間ならまたちょっと違うのかなぁと思います。
★★☆☆☆