世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)

村上春樹は久しぶりです。ちょっと古いものを。
■古いせいか分かりませんが、これはいまいち飲み込めない話でした。世界設定は魅力的だし珍しくちゃんと落ちているのにそんなに気持ち良くなかった。です。何でか。
村上春樹の本って割と70年代の風景を書いているのが多い気がするのですが、私は知らないその世界に憧れている面があるのかもしれないです。最近のにしてもその現実世界が楽しいと思う。これは2つの世界両方がファンタジー(ワンダーランドだから当たり前か)。ファンタジー世界になるとその上での議論の説得力が無くなるような気がしました。当たり前な世界に奇妙なことが起きるから面白いような気がする。世界と一緒に言葉までが飛んで行ってしまうような、って言ったら言い過ぎかもしれませんが。
■別にこれはファンタジーを否定しているんじゃなくて、村上春樹を私が読む場合、という話。現に最初のほうは凄く楽しかったし。世界の終りの地図も記号士も計算士も本当に面白い。でも村上春樹だけにいまいち楽しめませんでした。設定がもう好みなだけに残念。
★★☆☆☆