寡黙な死骸 みだらな弔い

寡黙な死骸 みだらな弔い (中公文庫)

寡黙な死骸 みだらな弔い (中公文庫)

博士の愛した公式が面白かったので、2冊目です小川洋子
■これはまたガラリと変わった感じです。ちょっとエグイ感じにびっくりしました。死骸と殺人と狂っていく人たち。これはかなり怖いです。鋭く抉られるような、でも冷たくは無い文章です。私は結構こういうのが好きなので。
■短編集なのですが、それぞれの話が微妙にリンクし合ってるのも面白かったです。こういう感じのものは読んだことが無いかも。ちょっと思い当たらないです。それぞれに何気なくて完成度が高いのです。けれど、その分、最後2つの話が少しファンタジーに落ちてしまったので何か嫌だった。「心臓の仮縫い」あたりはファンタジーの要素が(…ファンタジーですよね?)すごくちょうど良く嵌っているので心地よかったのですが、最後の2つの話はふわっとしてて焦点がぼやけてしまっているような。全体としてとても面白かっただけにそこだけ残念でした。
小川洋子は面白そうですね。もう少し読んでみたいです。
■そういえばちょうどyahoo!でこんなニュースが「http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060130-00000194-kyodo-ent」。私も1冊貢献しました。そういや実家にもあったしなぁ…。100万部、その価値はあると思います。未読でしたら是非。
★★★★☆