むかし僕が死んだ家
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1997/05/14
- メディア: 文庫
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■普通な感じの本でした。別に言及するほど詰らなくは無いんだけれども、何度も読み直したいほど面白くも無いと思います。文章は完成されているし、すごく丁寧に作られているので、読みやすくすぐに読み終わってしまいましたが、文章自体に魅力がないような気がします。例えば江國香織の文章のように、この間読んだ「博士の愛した数式」のように、一つ一つの文の隅々から溢れるものが無い。まぁ文章なんて所詮伝達の手段なので、魅力がある必要性は無いのかもしれないけれども、あまりにも文章が平坦な道具となっている感じがして、私はちょっと物足りなく感じました。
■ミステリーとして見ても普通な感じ。中盤あたりで土台となるトリックの片方が私のような読者でも見えてしまったので*1。きっと鋭い方なら両方見えるだろうなぁと思いますし。伏線的なものが張り巡らされているので緊張感はあるのだけれども、あまりにも伏線だらけで、むしろ伏線ではなく答えになってしまっているような。びっくりするようなどんでん返しでは無かったというのもその印象を強めていると思います。
■酷評してるみたいですね。普通には面白かったですよ。ただ時間を削ってまで読む本ではないと思います。まぁ暇なら程度。何か過去の日記で変身を読んだときの感想→変身 - 歩くパンケーキたちも上と同じ感じでした。ちょっとこの作者とは感性が合わないのかもしれない。直木賞受賞作は読んでみようかなぁとは思いますが。
■そういえばこの本実質的に一幕劇なので上手く戯曲化したら面白そうだなぁと思います。テーマもわかりやすいし。見てみたいです。
★★☆☆☆
*1:これは一因としれオビの文句が良くないと思う。映画の予告じゃないけれどもそんなところまで書いて良いのか?と思います