博士の愛した数式
- 作者: 小川洋子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/11/26
- メディア: 文庫
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■期待通り、いや期待以上に面白かったです。数学の要素もそんなに難しいことまでは出てこなく、でも「数」の魅力みたいな部分がしっかり出てて、感心しながら読んでいました。友愛数とか完全数とか面白い。
■それだけじゃなくて、博士の記憶が80分しか持たないということ、体中に貼られたメモ、阪神タイガースの話、江夏の話(江夏という選手についてはほとんど知らなかったのですが…)、ルートの存在、などすべてのキーワードが綺麗に気持ちよく組み立てられているような感じでした。文章も読みやすくて気持ちよく飲み込めるので一日で読み終わってしまいました。抽象の度合いは違いますが、ちょっと江國香織の文章を思い出すような感じでした。ひとつひとつが丁寧に優しく描かれているところが魅力的です。泣かなかったけれどもじわじわと良い、よく言う爽やかな読後感が正にその通りだと思いました。
■こういうしっかりした文章を読んだ後は、自分の文章があまりに拙く見えて感想が書き辛いです。このへんで。あ、そういえば最初、舞台は外国をイメージしていたので総理大臣の話が出てきてビックリしました。阪神を除けば、イギリスとかそういう国の物語りのようです。
★★★★★