まどろみ消去

まどろみ消去 (講談社文庫)

■この辺で一区切りするつもりですが、また森博嗣です。
■この短編集は好きです。好きなテイストがちょっと酸っぱくなって入っている感じ。美味しいんだけれど苦い。そんな本です。
■いかにも推理モノ的なミステリーが多いかな、と。でも私はその中でちょっと異色な雰囲気の「真夜中の悲鳴」と「キシマ先生の静かな生活」が好きです。特に後者に出る人間の描写のリアリティと暖かさ、それから苦味が良い。短い文章なのですが、ちょっとゾクゾクとしました。
■それからＳ＆Ｍシリーズの短編も２つ。２つ目の方は結構面白かったです。すぱっと解いてしまう犀川先生が素敵です。結局それかい、という話になりますが…。
■もっと読んでいたい森博嗣ですが、あまり偏るのも良くないかと思いますので、そろそろ路線変更しようと思います。うーん、どっちに行こうかなぁ…。文庫のコーナーでウロウロしながら考えます。
★★★★☆