詩的私的ジャック
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/11/12
- メディア: 文庫
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■これは何か、カンで何となく犯人がわかるような話でした。手段は兎も角、誰が怪しいというのが見えるような人物配置です。
■そして最後までいってもトリックよりも動機のほうが魅力的(というのは変ですが)な話です。すべてがイコールねぇ…何かわかるかも。殺人まではわからないけれども。篠崎もなぁ…彼の理由をああしたのはかなり面白いと思います。
■でもだからといってこの本の魅力が薄れるわけではありません。やはりひどく面白い。人間とその台詞回しが良いです。犀川先生はいたら本気でかっこいいかもしれない。実際こんなに魅力的な研究者ってなかなかいないような…というのは偏見ですか…。萌絵も好き。この2人の関係がじれったいながらもツボを得てます。それから何気に国枝がかなり良い。少ない台詞で直線的な人間が魅力的。萌絵が研究のことを国枝に相談する場面(ちょっと自分のリアルな立場的にも耳に痛い…けれども)と犀川と篠崎の2人だけで納得してしまった場面が面白かったです。日本語って曖昧ですねぇ…そんな必要はなかったのかなぁとか色々考えちゃいました。あと、その直後の萌絵と犀川の会話。こういう意味のあるようなないようなそんな場面も好きです。
★★★★☆