4TEEN
- 作者: 石田衣良
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/11/26
- メディア: 文庫
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■石田衣良は池袋ウエストゲートパークがかなり好きです。あれと同じでこの4TEENも短編の連作みたいな感じ。違うのは、主人公たちが中学生で、街が池袋じゃないこと、かな。あと池袋〜の方がはるかに練られていると思う、個人的には。
■後書きにもあるようにかなりの期間を置いてバラバラに書かれたそうで、何となくバタバタとした印象を受けます。1つ1つは面白いけれどまとめて読むとイマイチな。連載の形態で読んだ方が楽しめそうな文でした。なんて書いたら良いかちょっとわからないけれど、人間がそれ程深くないかも、と。表面を取り繕ってサラサラ流れてる感じです。特に深いことを書こうとしているから気になりました。正直、直木賞をこれにあげるんだぁ…と思っちゃいました。私は断然、池袋〜の方が好きです。
■それから、中学生たちは私が女だからかわからないところもたまに。…ひょっとしてイマイチなのはこのせいかな…。あの頃は確かに楽しかったけれど当たり前だけどこういうノリでは無かったなぁ。男の友情は分からん。ある意味でこんなに純粋では無かったしまたこんなに擦れても無かったと思う。
■個人的に。私は受験があろうが中3の方が楽しかったです。あの頃の友達は今会ってもあまりに変わってなくて(会った瞬間に戻る、という方が正確か…)懐かしくて楽しくなっちゃいます。小説の最後に出るように、あの頃は変わってしまうことが怖かったけれど、あの時期があって今があって未来がまぁ多分あって、そのバランスが良いと思うようになってきました。歳かもしれない…。…でもやっぱり幸せな時ほど感じる恐怖は無くならないんだけれど。
■そんなわけで最後は納得です。こういうのをさらっと書いてしまうのは凄いと思いました。
★★★☆☆