池袋ウエストゲートパーク3

骨音―池袋ウエストゲートパーク3 (文春文庫)

骨音―池袋ウエストゲートパーク3 (文春文庫)

■思い出したように続きを読んでいるIWGPの3冊目です。うーん、今回は結構小粒な印象。
■どれも確かに面白いんだけれど、もう主要キャラも雰囲気も確立されている分、新しさに欠けるかな、と。このキャラとこの雰囲気が好きなので安心して読めるんだけれども、想像を超えるものは出てこなかったです。気持ち良い奴らの気持ち良い物語。
■最後の「西口ミッドサマー狂乱」がちょっと哀しい切ない雰囲気で好きでした。レイブ音楽が聞きたくなって困っています。イベント行きたーい。夏が終わってしまったのが残念に思えます。何かこの話はうだるように暑い夏にクーラーも付けずに太陽の当たる部屋でグテグテしながら読みたい感じです。音楽とスイカと熱。
■池袋はあまり行かないのですが、こういう都会的な下町の雰囲気って好きです。残酷さと優しさの隣り合わせな感じ。それから音楽が中心的に回っているのがストリート文化的で良い。切っても放せない。さすがにドラッグは経験無いので(笑)そのぶっ飛ぶ感じは分かりませんが、音楽でぶっ飛ぶ感じはわかる。そういう気持ちよさが詰まった本です(ドラッグはマズイ、が)。
■そうそう。この巻はタカシが妙にかっこよく見えました。Gボーイズの王様、王様ってもうクドイくらいに繰り返されるんだけれど、いつもクールで冷酷な彼が魅力的に見えます。マコトもかっこいいけれど、主観なのでそこまではかっこよく見えない。特に後半のマコトと半分ふざけているような真面目なような、そんな書き方が上手い。完璧すぎない人間のブレみたいな。本当に石田衣良の書く人間はリアルで魅力的です。
★★★☆☆