コールドゲーム

コールドゲーム (新潮文庫)

コールドゲーム (新潮文庫)

■いまいち、かな。読んでる間は引き込まれ先が気になったけれども、何か未消化。テーマがテーマだけに読後感が良くないのがダメなのかも。
■イジメ、をテーマにした本です。この問題については数限りなく語られているからか知らないけれども、書かれている内容や主張が全部どこかで聞き覚えがある気がした。…最後のどんでん返しには当然の如く綺麗に嵌められたけれども。怖っ。
■人間って閉鎖的なところに5人くらい集まればイジメが起こる気がする。ここまで酷いのは問題あるけれども、誰もが一つや二つのイジメに関する心がチクリと痛む記憶を持ってるんじゃないかな。今更、後悔しても反省しても謝ってすらどうしようもないような。できれば思い出したくも無いのに忘れられないような。私だけ…?だから読んでてキツイのか〜。
■それから文章が安定しすぎてて、それは勿論良い事なんだろうけれども面白みに欠けるような気が私はしました。この人の他の本を読んだことが無いからそう感じる可能性もあるけれど。丁寧だし野球を使った表現は真っ直ぐなんだけれど、何か、使い古された的な。人物も厚みを持って書かれている雰囲気はするんだけれども動き出しては来ない。薄い紙を並べて3次元に見せてる感じ。素人が失礼でしょうがこの作家でなくてはならないものが無かった気がしてしまいます。
★☆☆☆☆