さらに乙一

平面いぬ。 (集英社文庫)

平面いぬ。 (集英社文庫)

■これで5冊目…と。しかし、これ読んだことがあるのかもしれません。最初の「石ノ目」には覚えが無いのですが、「平面いぬ」と「はじめ」には何となく覚えがある。「BLUE」は微妙。知ってるような知らないような。これは読んだというのか…?ブログには無いので読んでたとしてもきっとこれを付け始める以前なのでしょう。
■とても面白かったです。はっきり言って前に読んだどれとも違う作者のようでした。まるで別人かと。文体もストーリーも完成されてて安心して読めました。
■4つの短編それぞれがそれぞれの趣を持ってるのが面白い。「石ノ目」は怖いです。日本の童話のような。「はじめ」はファンタジーの混在の仕方が好き。一人歩きする幻想がドキリとさせてくれました。「BLUE」はこれは海外の童話のよう。綺麗にまとまってて最後のシーンが哀しいです。「平面いぬ」はカラカラとした優しさの溢れる物語。こんなに不幸なのに明るい雰囲気がむしろ自然になる描き方が見事でした。
■4つ全部出来がよくてビックリしました。読みやすく、でもちょっと考えさせる。現実であり幻想であり。こういう文章が好きです。
★★★★☆