猫の地球儀

猫の地球儀 焔の章 (電撃文庫)

猫の地球儀 焔の章 (電撃文庫)

猫の地球儀〈その2〉幽の章 (電撃文庫)

猫の地球儀〈その2〉幽の章 (電撃文庫)

■猫が地球を目指して衛星からダイブする話。…ん?違うような。貸してくれた方がこのような説明をしてたような気がするのですが忘れました。
■主題は夢中になることの価値観みたいな感じなのかな。どこまで懸けられるか。猫ですが。宇宙ですが。人間は出てきません。猫とロボットとゴキブリ(いや、気になったもので。黴は描写的に我慢できるけど、これはな…)。
■基本的にはドタバタしながらSF冒険活劇みたいな雰囲気で読みやすかったです。そういやSFって映画とかだと好きだけれど本はあまり読んだことが無いかも。猫が話すのも別に慣れればそれまでです。視点が章ごとに入れ替わるのが気になると言えば気になるかな。1人にスポットの方が締まる気がする、ってかそっちが好み。せっかく盛り上がったところで他の場面に差し替えられるのが哀しかった。猫のくせになんて人間味溢れるんだ、君たちは、とか思ってましたよ。バトルシーンが多くてまたそれが魅力なのですが、私には情景描写がかなり厳しかったです。何しろ無重力だったり猫だったり猫に操作されるでも自律操作系ロボットだったりするのです。まぁ厳密なところは適当でも特には支障がないのであっさり読みましたがちょっと勿体無い気が。焔という猫がかっこいいです。真っ白の強い猫さん。幽と楽は綺麗すぎる。
■ノリが好きでした。高速でじゃんけんする月光と日光とかヤクザ猫の親分と子分のアホしりとりとか、ツボってニヤニヤしながら読んでました。中盤過ぎてラストまでの流れが面白かった。その前はこの辺を書くための下地作りみたいな気がした。2冊目の真ん中辺りから一気に読みましたから。ただ、ラストがちょっと。書かないことは好みなのですが、もうちょっと書いて欲しかったかなと思います。救われてるんだけど救われない気分。…救われてない、か。解放して抜く終わりだと好きなのになぁと思います。
■あちこちで感想を拝見。これで泣けない(というかそういう方向に向かわなかった)自分はダメかもしれない。何でだろう。考えてみればとても泣く要素配置されてるのに。起こってしまった悲劇も全て他人事のように思えてしまったからか…?やっぱ猫だから…?…焔を追いかけてたから…?あーそうか。クリスマスが好きになれないからかもしれません。
■ところで。このような表紙だったのですね。カバーかかってたので気がつきませんでした。いかにもライトノベルな。力のある文だけに勿体無い気が。この表紙だと自分では買わない気がしました。もっとダークな感じだろう。ポップだ。
★★☆☆☆