MISSING

MISSING (双葉文庫)

MISSING (双葉文庫)

■結構前に読み終わってたのですが、感想書き忘れてたので。
■ところで、今気がついたのですが、作者、男の方なのですね。タイトルの響きと表紙で勝手に女の方だと思ってました。あーなんかそう思うと納得いくかも。
■書店のベストセラーコーナーで発見。周りのはすでに読んだことがあったため、何か悔しさを感じて購入。…いえ、表紙が素敵だったから、もありますけれど。画像が出ないのが残念です。短編集で「このミステリーがすごい!2000年度版」の10位だそう。5つの話が入っていますが、どれも非常によく練られていて、読むのが辛いんだけどでも優しい話ばかりでした。特に「眠りの海」と「蝉の証」は強烈でした。暫くの間、ガンガンするものが頭の中に反響するようです。ふとした瞬間に思い出したり。眠りの海が新人賞を取った作品とは思えないほど見事です。
■「眠りの海」は事故の場面が強烈。ふっと狂う感覚が凄い。抱えきれなくなることってあるのかもしれません。「蝉の証」は本当に重いです。怖くなるくらい。でも真実だと思ってしまうのが。人が死ぬ時一番怖いのは忘れられてしまうこと。80歳も超えたおばあさんにでもなったら、そのことが理解ではなく感じられるのでしょうか。
■…あちこちの感想を見てて思ったこと。あーそーか、村上春樹っぽいからハマるのか…と。でもまぁ嫌いじゃないです、…っぽいというの。パクリでなければそれは模倣であっても苦労はあるわけで、大体…っぽいが無い作家とか芸術家っているんだろうか、と。でも、MISSINGに関して言えば、村上春樹が書いたらもっと気だるくて鬱屈した感じ*1になるんじゃないかなぁ。私は基本的に鈍いので…っぽいを人の指摘無しに気がつくことはほとんど無い。こういうの気づける人ってどういう仕組みなんだろうと不思議な感じ。
★★★★★

*1:悪い意味じゃない、両方ありだと思う