殺し文句の研究

殺し文句の研究 (新潮文庫)

殺し文句の研究 (新潮文庫)

阿刀田高はちょっとすごいなぁと思うので買ってみた。なるほど、とか頷く場面が多くて面白かったです。じっくり読むようなエッセイじゃないけれど、暇つぶしや電車の中で読むのには最適じゃないかな。歯切れの良い文章が上手いです。
■ちなみにどうでも良い話なんですけど。私にとっての殺し文句。というか単純に印象に残ってる台詞。今、ぱっと思い浮かんだのはインデペンデンス・デイの大統領「我々は戦わずしては滅びない」ですかね。あとは演劇。こっちは結構ありそうだけどキャラメルボックスのナツヤスミ語辞典より「終わらないかもしれないものを自分の手で終わらせてはいけない」(ちょっと違ってそうだ。最後のクサナギ先生の台詞)。本だったら宮部みゆきの魔術はささやく「東京は今日も霧ですね」、村上春樹国境の南、太陽の西「みんないろんな生き方をする。いろんな死に方をする。でもそれはたいしたことじゃないんだ。あとには砂漠だけが残るんだ。」それぞれは単体では何の意味も持たない空論です。しかし、これらが作品の中に放り込まれた時の背筋がピンと伸びるような響きが大好きです。
■結構格言とか好きだったり→英文格言集-英文&訳文-
★★★☆☆