アジアンタムブルー - 大崎善生

アジアンタムブルー (角川文庫)

アジアンタムブルー (角川文庫)

とても良かった。こういう文が好き。恋人が死んでそこから立ち直る話。と書くとスイーツ(笑)携帯小説のようだが、見事な日本語と構成によりとても良い雰囲気の本になっていると思う。最後のあたりは泣きそうだった。いつかはほとんど全ての人が誰かを残して死ななくてはならないなんて、とても当たり前のことなんだけど、悲しくなる。カモメとウミネコや水溜りやエロ雑誌やアジアンタムブルーや、絶妙なバランスの小道具もみんな素敵。こういう文が書けたら、どんなに良いかと思う。

★★★★★