探偵ガリレオ

探偵ガリレオ (文春文庫)

探偵ガリレオ (文春文庫)

今度こそ面白いかもしれない、と思い手に取る東野圭吾。…やっぱりだめでした。やはり東野圭吾とは合わないみたい。と、何度も同じ轍を踏むのはあらすじが面白そうだからなんです。こんなに面白そうなあらすじなのに、何で読んでみると駄目なんだろう。余計な深みが足りないからかと思ったりします。
連作短編集です。理系の助教授が友人に事件の相談をされてなんとなく推理してしまう話。ドラマは見てないけど、ドラマなら比較的面白い、かも。小説ではトリックが安易で面白みが感じられないのと、人間にもあまりリアルさを感じないのでいまいちです。ガリレオはあまりに型にはまった感じだし、刑事の方も全然魅力がないし、犯人に至っては本当どうでもいい。短編なので削ぎ落とされていると言えばその通りなのですが、読書なんて遊びなので、遊びの部分を残して欲しい、…というかそういう文章が好きです。
それから、自分が理系だからか分かり易すぎるいかにも文系が考えるような理系トリックはちょっと違和感がありました。まるでNHK教育の番組を見ているようです。ミステリーとしてどうかということは私には分かりませんが、トリックもガリレオの人柄も理系に対しての偏見を突きつけられているようでちょっと嫌でした。…追記。とか書いてたら東野圭吾って理系の人なんですね…なんか全然そんな感じしない。それこそ偏見か…。
というか…理系の助教授っていうのでどうしても森博嗣のS&Mを思い浮かべてしまうのですが…。あっちは好きなんですけどね。だからこそ、厳しい見方になってしまうのかも。犀川先生はかなり突っ走った設定だけど、実際いそうだし思わず好感が持ててしまう。ガリレオはなんかなぁ…。

★☆☆☆☆