崖の上のポニョ

映画『崖の上のポニョ』公式サイト
早速土曜日に観てきました「崖の上のポニョ」。なんかもう予告の時点で、あの「ぽーにょぽにょぽにょ」の歌と映像にやられて、子供向けか?と思いつつもトキメキと押さえられず、ドキドキワクワクと行って来ました。よい大人が恥ずかしい…。でも映画館@渋谷は大人の方が多かったです。人の入りは9割くらいで、幼稚園くらいの子供の親子連れもいたにはいたけれど、渋谷のせいかカップルのほうが多かったです。
まず、初め30秒の映像が素晴らしい。CGの無い手書きらしいですが、こんなに動くアニメは滅多に観られないと思います。単純に美しいです。映像は全般的に良く出来ていて、良く動くし、観ていて気持ち良いものでした。ただし、時々あまりにも絵画的な表現に突然なることがあって、初めは違和感を感じましたが、世界観がファンタジーなので、段々それも良いかもと思えました。
お話は、非常にファンタジー。童話的というか空想的というか。当たり前の世界に当たり前に変なものが紛れてくる。そういう意味でトトロと似ているけれど、あれよりもさらにとんでもない。だけれど、芯の部分はしっかりしてて、親子の繋がりだったり単純に好きという心だったり、まっすぐで気持ち良い。決して万人受けはしないのかなぁとも思うのですが、私はこの突拍子の無さとその中にある心の部分の安定性がとても好きです。ぶっちゃけ、前半の何でもない場面で泣きそうになってたり…。まっすぐなのに弱いのです。最近、こう一回りして親に感謝しようと思うようになったからかもしれない。かな。理屈や解釈、整合性、そんなものはどうでもいい。
それから、ちょっと何か明るい雰囲気の中に、ゾッと背筋の寒くなるような部分があるのも良い気がする。本当は怖いトトロや大人になって読むと苦さを感じる数多の童話じゃないけれど、なんかそういうのがある方が、作品の空間的なリアリティが高まる気がする。平和なだけでは人はドキドキしない。…つか(ネタバレ)、海の中の老人ホームの場面は天国なんじゃないかと思って動揺しました…。そういう揺れがあってこそ、なんだと思います。
公式ホームページには「神経症と不安の時代に」とか書いてありますが、なんかそれも分かる気がする。どこがどうと説明できないんだけれど。私にとってこの映画はとても素晴らしい経験のような、そんな映画でした。

でも解釈が欲しい人に、はてなブックマークで注目されてた記事とwikipediaでも

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