隣の家の少女

隣の家の少女 (扶桑社ミステリー)

隣の家の少女 (扶桑社ミステリー)

はじめに言っておく。この本はヤバイ。読まないほうが幸せかもしれない。
これに興味を持ったのは「http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2005/07/post_66b1.html」からです。ずっと探してたんだけど、なかなか見かける機会がなくて。この記事以来ジャック・ケッチャムは数冊読んでいるんですが、正直そこまでのショックを受けることは無かった。なんてことないなと思っていた。…が、甘かったです。この1冊に限ってはヤバイ。と言える。
まずエグイ描写でダメな人は本当に受け付けないでしょう。痛みに対する想像力が強い人とか。ぶっちゃけ現代はそういうエグイ描写は氾濫しているので(「羊たちの沈黙」を読んだのも「プライベート・ライアン」を観たのも中学のときだった)、そんなダメな人はいないかもしれませんが、文章ってのはたぶん映像より強いので…。一応警告はしたほうがいいかもしれない。ヤバイです。ちなみに、私は相当エグイものには耐性があるつもりです。本とネットで大分鍛えられているような気がする。人として間違っている。
話は逸れましたが、この隣の家の少女が真にヤバイのは、エグイ描写もあるけれども、そんなことじゃないと思う。
自分にも有り得る一面を見せられているんじゃないか、という恐怖。それも特別に汚い一面を。主人公が傍観者という立場であり続けるので、全てが有り得ることになっている。子供であり無力であり傍観者であったことって誰にでもあることだろうから。それが抜群に怖い。人事じゃない。心理がトレースできる。巻き込まれるような…。こういうのを恐怖と言うんだろと思った。
読後感サイアクってのはダテじゃない。
それから、何がヤバイって現実はもっと恐ろしいということだ。「http://www.alpha-net.ne.jp/users2/knight9/josikousei.htm」を思い出さざるを得ない。いつも現実はフィクションより進んでいる、のだろうか。

★★★★★