サウスバウンド

サウスバウンド 上 (角川文庫 お 56-1)

サウスバウンド 上 (角川文庫 お 56-1)

サウスバウンド 下 (角川文庫 お 56-2)

サウスバウンド 下 (角川文庫 お 56-2)

オビの強い言葉に惹かれて読んでみた。読む前に前知識としてwikipediaで右翼とか学生運動とかの知識を拾いつつ。この辺の現代史って凄く大きなことが起きているはずなのに、ほとんど語られないので意外と詳しく知らないことがあった。今の学生にこのくらいのパワーがあれば良いのかもしれないが、泥沼にはまっていったのは、必然とも言えるなぁ…。所詮国を転覆させることなんか出来ないし。
話がそれました。サウスバウンドです。これは面白かった。暗い話題のような気もしますが、爽やかな読後感の気持ちの良い話でした。前半でひたすら困りものの父親が後半どんどんかっこよくなる感じがとても良い。こんな父親は困るけど文句無くかっこいい。
テンポも良いし子供の視点から見た語り口も好きです。この子供が妙に冷めてるとこもどことなく面白い。奥田英朗は「イン・ザ・プール - 歩くパンケーキたち」を読んでいるんだけど、ギャグに傾きすぎない今回くらいの正当な話が合うのではないかと思いました。

★★★★☆