僕のなかの壊れていない部分

僕のなかの壊れていない部分 (光文社文庫)

僕のなかの壊れていない部分 (光文社文庫)

■なにやらエライタイトルだなぁと思いながらも、のほほんとした表紙のお陰でマッタリした話だろうと思って読み始めたら…。騙されました。全然まったりじゃない!この表紙は一体…?オビついてなかったんだもん。痛いし重かったです。
白石一文は初めてです。哲学染みた本でした。生きること愛すること、答えは書いてないけれども、そこに対する苦悩や思考の過程が書かれてて読み応えがありました。まぁ、どうしてもこういう観念的な話って個人個人固有のもので、文章として書いてしまうと押し付けがましくなるので見たくない聞きたくない、という面もあるのですが、割と綺麗にそのあたりのイライラするギリギリのライン上で書かれていて、上手いなぁと思いました。…一部流し読みしましたけど。淡々としているからかな結構広い心で許せます。共感できるか説得されたかと聞かれるととNOの方が大きい気がしますけど。
■でも何かこう自分でもぐるぐるとそういう方向のことを考えされられてしまいました。そして結論として思ったことは子供なんて作らないほうが良いなぁと言うこと。全然この本のメッセージとずれてる気がするんですが、なんか読んで、うーんと思ってたらそんな思考が残りました。はっきり言って死ぬ死なないはどうでもいい。
■こういう本はすっと入ってこないと疲れるのでまた読みたいかと言われると正直微妙です。でも読んで良かったかなとは思います。
■それから非常に個人的ことなんですが、登場人物が自分の近いところにいる人と同じ名前だととても読み辛い。よっぽど変な名前で無い限りどこかにはそんな人はいるはずなんですけどね…。何かナーバスになっちゃいます。これも少し感想に影響してるかも。

★★★☆☆