クビシメロマンチスト

クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識 (講談社ノベルス)

クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識 (講談社ノベルス)

西尾維新2冊目です。クビキリサイクルはここで感想を書きました→クビキリサイクル - 歩くパンケーキたち
■2冊目が一番良いよと言われたのでなかなか期待しつつ。その期待にはそこそこ答えてもらいました。残念ながら期待以上、とは行かなかったけど。普通にまぁ楽しめた感じです。ただ一日潰してしまったので読ませるパワーはあるなぁ。でも読んでると眠くなるのは何故だろう。少し読むと眠くなって、寝て、起きて、食べて、読んで、寝て、という一日でした。疲れてたってのもあるんだけど、この文章には催眠効果があるんじゃないのか?
■トリックというかミステリは前巻よりは良い感じ。どんでん返しの大きさはクビキリサイクルの方だけど、クビシメロマンチストのほうが少し納得しやすいというか(トリックってほどじゃないってのと、気になることが無いってわけじゃないけど)。ぶっちゃけトリックは分からないけど、なんとなくコイツ犯人じゃない?というのが合ってたんだけど。わかること自体がマイナスに働かない。動機的な面がストレートな話でした。そうこれは少女漫画みたい。その辺が中二病作家と言われる所以かと思ってみたり。
■もっとも、事件とは別のもうひとつの核になる話のほうがかなりエグイというか…内面的にエグすぎるからもう却って綺麗に見えるような話なので、上の部分がそんなに気にならない。この二つを抱き合わせ販売するのは上手いなぁ。文章も独特ですが、慣れたのか変な専門かぶれが無いせいかそれとも文章自体がクビキリと変わってるのか、今回はあまり気にならずに読めました。キャラクターは濃いけれど天才よりは普通の人々だったのも良かったかも。前半は色んな人にムカつくんだけど、悔しいがムカつかせるってのも上手いんだなぁ。
■主張自体はそんな新しさは無い気がする。でもこういうのを明文化されると結構痛いものがある。ひとつだけ気になったのは、自分の右上だか左上だかに自分を見てるもう一人の自分がいるってのはそれこそ誰でもが感じてることではないのかな?少なくとも私はそう思ってきたんだけど。それを忘れさせるのがお酒であって。まぁ私はお酒を飲んでも、いや飲めば飲むほどテンションが上がれば上がるほど、見られてる意識が強くなりますけどね。でもこういうのって程度の差こそあれ誰にでもそういう冷めた面があるんだと思ってりんだけど。実際のところどうなんでしょう?ちょっと気になってしまいました。
■ところでx/yが分からない…と思って検索したら「ƒ_ƒCƒrƒ“ƒO°Fƒlƒ^ƒoƒŒŠ´‘z^ƒNƒrƒVƒƒƒ}ƒ“ƒ`ƒXƒg」に書いてありました。まぁいろいろ説はあるようですが。一応リフレクト→回転をイラレでしてみたんだけど、肝心のx/yの書き方がいまいち分からない。筆記体は多分良いんだけど、綺麗な分数で書くの?横に書くの?斜めに書くの?みたいな。でもロマンチックすぎるからhelpが綺麗ね。

★★★★☆