FINE DAYS

FINE DAYS (祥伝社文庫)

FINE DAYS (祥伝社文庫)

以前読んだ「MISSING」が良かったので、読んでみました。短編が4つ入っています。一応全部ラブストーリー。
■普通の文章だけれども読んでて楽しい文章です。最近ずっと考えてるのですが、楽しくない文章と楽しい文章の間にある差が見つからない…。ほかの人には書けない文章ってことなんでしょうか。
■4つの短編それぞれに感想を書いておきます。
■「FINE DAYS」は漫画みたい。高校の風景も主人公たちも漫画でありそうな感じです。ポップで読みやすいけれど、最後はちょっと弱いかも。「イエスタデイズ」は優しいファンタジー。父親の過去に巻き込まれる話。凡庸だけれども良いです。「眠りのための暖かな場所」は見方によってはホラーのよう。ホラーというか都市伝説かもしれない。不思議な感じですが最後には強さが感じられて気持ちいい。「シェード」はこの中で一番好きです。これまたよくある感じではあるのだけれども、それが心地良い。物語の中でさらに語られる物語が素敵です。綺麗なラブストーリー。
■どれも何か漫画や短編アニメーションにしたら素敵だと思いました。別に文章が良くない訳ではなくて、自然に情景が浮かぶからかなーと思います。ただ全体的に最後は投げられているような感覚です。誰かの文に似てるなぁと考えてたのですが、多分乙一の短編と雰囲気が似てる気がします。次の本が出たらまた読みたいです。
★★★★☆