ねじの回転

ねじの回転 上 FEBRUARY MOMENT (集英社文庫)

ねじの回転 上 FEBRUARY MOMENT (集英社文庫)

ねじの回転 下 FEBRUARY MOMENT (集英社文庫)

ねじの回転 下 FEBRUARY MOMENT (集英社文庫)

恩田陸です。本屋で何となく気になったので購入。うーダメだ…よく分からない。
■今までの恩田陸作品よりも大人しく硬い印象の話かなぁと思っていたら最後の部分がどうしても飲み込めません。
■科学的というか哲学的話をやっている割に説明が足りなくて置いていかれるような感じです。特に上巻はなかなか前に進まなくて…。それは私が、日本の近代の世界の本を読まないというせいもあると思いますが。下巻になってからは怒涛の展開で上巻の5分の1くらいの時間で読み終わりました…は良いのだけれど、鍵になる最後のトリック(?)の部分が私の理解を超えます。うーんと、何となく分かるのだけれども…。
■それぞれの人間の心情や思惑は非常によく書けていて、そのあたりはさすが恩田陸と思いました。今回は歴史ものの要素も加わるのでより一層面白いです。安藤中尉が良い人だ…。2・26事件は本当に中学の歴史の時間に習った知識(=名前と青年将校の叛乱だったということ)しか知らないという何とも薄っぺらな予備知識だったお陰もあって、当たり前のことなのですが、歴史の「出来事」の背景にある生きている人間のリアルさにゾクゾクしました。世界史にはまってた頃の心を思い出した…です。また勉強しようかな。
■テーマも面白い。タイムトラベルができたら…、過去の修正に人間が手をつけない訳が無い、ですね。個人単位でも修正したいことは山ほどあるし、歴史的には人類には本当に過ちが多いですから。でもそれをしてしまったら、本当に小さなことでも現代はズレていくのでしょうね。そこでパラレルワールドになっていくのか、それとも本当に現代が書き換えられるのか。考えれば考えるほど分かりません。3次元の次に時間軸を入れた4次元ならば、パラレルワールドかな、とも思いますが、所詮3次元で生きる私たちには手を出してはいけない領域なのでしょう。正に好奇心に殺されるのかもしれません。
■しかし、如何せん、オチがわからないのですっきりしません。タイムトラベルモノは難しい。何でもありになるからなぁ…。これは時間のある時に再読しなくてはダメそうです。
★★★☆☆