夏のレプリカ

■これの前に読んだ「幻惑の死と使途」の対になる同じ時間軸の作品。

夏のレプリカ (講談社文庫)

夏のレプリカ (講談社文庫)

■夏の話ですが、私はあまり夏の印象を持てませんでした。今が寒いからか…。夏の暑い夜に星空の下ででも読みたいような本です。
■そのせいか何のせいかわかりませんが、今までのシリーズとは違ってちょっと重くて辛い話でした。救いがなぁ…。今までのシリーズの犯人たちは皆何か哲学がありそれに従って殺人ということをしているようなイメージがあったのですが、この本はそうではない。その分、重みが圧し掛かります。潰れる…。
■それから、正しくあるべき情報に嘘が混じっていた、という謎解きなのですっきりしない部分も。信じるべき部分で裏切られたみたい。
■なので、シリーズ中最も落ち着きがありません。個人的には、主軸になる登場人物たちと年が近すぎるのも原因だと思います。結末まで含めて真実味があるからこそ後味が悪く哀しい話です。
★★★☆☆