村上春樹

カンガルー日和 (講談社文庫)

カンガルー日和 (講談社文庫)

■なんとも不思議な本だった。今日の突然の雨でファーストキッチンに軟禁状態になりながら読んでいました。本当にすごい雨で気が滅入ったけれど、せめて本があって良かった。
■本当に短い短編集。村上春樹的な主人公の村上春樹的な小説かと。個人的には100%の哀しい話とアシカの話と最後の羊男の話が印象に残りました。村上春樹は羊にどんな思い入れがあるんだろうとちょっと考えながら。100%の話は最後の数行の響きが好き。パスタを茹でる話も良かったなぁ。パスタ好き。走り書きのようだと思ったら雑誌の連載のために書かれたものとあとがきにあって納得しました。確かにそんな雰囲気。どんな雑誌でも良いけれど、こんな感じのものがふっと隙間に載ってたらそれだけで素敵な気がします。
■気になったのは比喩。どこからこんな比喩が出てくるのだろうと思いました。いくつか書留めようと思ったけれどひとつも覚えてない。これもいつもの村上春樹的です。すっと入ってすっと消化されるのです。
★★★☆☆