キャラメルボックス「TRUTH」

演劇集団キャラメルボックス:久々のキャラメルそして演劇ネタ。観て来ました、TRUTH。ようやくという感じですが。3月3日雛祭りの19:00からの回。13列目18番。行ってみたら結構前&マジセンターでちょっとハッピーでした。前過ぎても全体が眺められないので、このくらいが見やすいのかもしれない。顔も見えるし、密かなギャグも聞こえるし。
■で。感想。まず。良かったです。とりあえず、これ書かないと。いえ。帰ってくる間、雨だったので何か色々なものが昇華されちゃったぽくて何を書いて良いか良く分かりません状態なんですが。あ、ちなみに私は初演のTRUTHをビデオで観てます。で、生は今回初めて。ちなみに生上川隆也(変なものになってる…生)も初です。
■ずっとドキドキしてました。オチまで全て知ってるのに…知ってるから?関係ないとこで泣きそうなって、結局最後まで涙は出てこなかったんだけど。それこそ真剣でも突きつけられてるような気分。
■以下。ネタバレします。これから観に行く方は注意!
■まず舞台。竹すごい!クライマックスでなんて揺れてましたから。加藤プロデューサーは偽者って前説(そういや今回は一人前説だったのが気になった。まぁギャグじゃないので客席を暖める必要は無い、っつーか下手なことやられたらむしろ雰囲気壊すから正しいのかもしれない。…しかし、あれだけ公演中は話すな、と言われても真後ろの人が2言程話してた。たったそれだけのことですが場の雰囲気壊すには十分なので、本当やめてください。…話逸れました、元に戻して)でも言っていましたが、かなり本物っぽかった。照明の力もあるのかな。結構空間を締めてたと思う。
■で、開演。私はこの音楽がすごく好きです。思わずCDを買ってしまいました。旧版は聞いたことあったんだけど、リマスタリングとか書いてあるんだもん…(よーするに意志が弱い、と)。この劇はいきなりクライマックスから入るとこがカッコイイと思う。きっと役者は大変なんだろうけれど。耳の聞こえない弦次郎の言葉が痛いです。弦次郎はやはりかっこいいね。はめられたことは事実でも自分のしてしまったことを全く否定しないんですから。死ぬつもりだった、けれど自分の中で思いが沈静化してその結果生きて苦しむことを選んだ、というのも。
■そして、舞台は過去へ。結末が分かるが故にこの辺のシーンの楽しそうな様子が辛いです。いや、本気で面白かったんですけど。ふじを必死で慰める面々とか。細見さんの隼助がもうこのシーンでやられました。隼助は正直、菅野さんのイメージが強すぎて心配してたのですが(あのちっちゃい感じがはまってた、というかあて書きという噂)、細見さんはこのシーンでばっちりハートをゲットです(何)。あの皆で床を滑ってるとこが本気でうけました。しょうもないんだけどあの滑りを思い出すだけで幸せになれそうです。
■この後のみんなで話し合いをしているシーンもちょっと好きです。くるっと囲んで、自分の思ってることを言い合う雰囲気というか。信頼しているみたいなのが伝わってきて(実際違うというのが哀しいけれど)。隼助が密かに酒を持って来るとこはウケた。鏡吾に呑まれてるし。
■道場。帆平も西川さんのイメージが強かったので心配してましたが、こちらもなかなか良かった。ギャグシーンはかなり笑った。けど、TRUTHを語るシーンがちょっと重みに欠けるような…?そういう演出なのかな?これをいっちゃダメなんでしょうが、実はこの作品、すごく好きなんですが、「TRUTH」のとこだけ違和感があるんですよね。個人的に。なんでここにTRUTHという言葉が来なきゃいけないのか。信じる道、ということが根本テーマなんでしょうけれど、よくわからないけれど、此処の場所に心地よくはまるものが、私にとって「TRUTH」ではない。この劇とても好きです。でも絶対的に好きと言えない理由はこの辺なのかもしれません。
■それから。…とか書こうと思ったんですが。前後関係が上手く思い出せない。何で、とりあえず箇条書きにでも。殺陣が非常にかっこよかった。出来良すぎ。これだけのためにもう一回観に行っても良い。特に、弦次郎が英之助を切った後の鏡吾との殺陣。すごいギリギリで心拍数跳ね上がりです。我が名は虹の殺陣よりも好きでした。寺のシーン。和尚。相変わらず面白いですね。かーつ!分かってても笑います。はい。あなたの言葉も弦次郎には影響を与えたと思います。一見ギャグのために出てきてるっぽいですが、必要な人です。あとは三郎太。一人だけちょっと可哀想な役回りだよね。それこそ彼にだけ(虎太郎もかなーでも彼は最後気がつくし奥さんいるから超キャラ立ってるしなー)TRUTHが無い。彼なりに何かは選んでいるんだけど、それが見えない。見せ場が無いとも言うのかも。畑中さんは個人的に好きなんで、それはちょっと哀しかった。キャラの出た良い演技はしてると思うんだけどな。たまには良い人役の畑中さんが見たいです。…見た目良い人そうだからダメなのか…?好きと言えば、弦次郎と英之助が木刀で稽古をする場面が好きです。こういう現実が続けば良いのに、みたいな。あの部分にこれが入るってのも憎い感じ。声が1オクターブ高くなる大内さんナイスです。
■そしてそして。ラストシーン。この辺の殺陣も恐ろしい〜。英之助は照明効果でかなり幽霊に見えました。声が聞こえたときはかなり来るものがあった。聞こえたから弦次郎は刀を止めたわけだし。それこそ、殺しては死んでは真実は見えない訳で。隼助が弦次郎の味方をするところも。好きです、本当。でもここで、皆がわりとあっさりと弦次郎の手紙を信じるのがちょっと気持ち悪い感じでした。なんていうのかな、この時点だとまだどっちが嘘を言ってるのかわからないような。最後のワンピースが足りないような。そんな気分です。…理詰めミステリーの読みすぎですか…。どちらが信じるに値するか、どちらの目が本物を言っているのか、その場に立てば分かるものなのかもしれませんがね。汚名を雪ぐための生き方しかできなかった鏡吾。それも彼自身のTURTHかもしれませんが、皆を裏切ったことに変わりは無い。たとえ、どんな理由があろうと、守らなきゃいけないものってあるんじゃないかと思います、願望も含め。最後の最後。英之助の言葉が良い余韻になりました。この締めは上手いと思う。
■長くなりましたね。それだけ思うことがあったということで。生きるってどんなことか。TRUTHのテーマはむしろこっちなんじゃないかと思った再演でした。
■最後にちょっと気になった点。えっと、台詞が数箇所聞き取りにくかったです。流れてる感じ?私の位置、しかも話を知っている、で聞きにくいのでは後ろの方は大丈夫なのかな、と不安になりました。あと、これは全くキャラメルのせいではないですが、私の席で舞台の方を眺めると、何と非常灯がちょうど視界の端に入るベストポジションに…!と最初の方気になっておりました。消すわけにいかないししょうがないんだけど。今回はそれくらい。非常に満足いく出来でありました。もう一回行きたいな。けど、上川効果かTRUTH効果かあとは当日券狙いしかないようです…うむむ。
■そうそう。ロビーに過去ビラが貼ってあったね。ピント合ってないけど…。
 
★★★★☆