アイ,ロボット

i,robot:アイ,ロボット観てきました〜。もともと人工知能の反乱、というストーリーに興味があったのですが、最近CGフル活用の大作にははずれが多い(というか期待過多?)気がしていたので、半信半疑で観に行ったのですが、これが面白かった。今年3本の指に入る(1と言わないのはビックフィッシュの存在)。ちょっと予告で捉えたストーリーの印象とは違う感じでしたが、機械的単純なストーリーでは無くしかもご都合主義ではなく、ギャグも交えた軽妙な良い意味でハリウッド的な映画でした。スピード感のある映像演出も高評価。これは人に勧められる映画です。ウィル・スミスかっこよかったし(笑)。
■以下ネタバレ含むので、知りたくない人は注意。ロボット3原則は知識としては知っていました。でもこれって映画で言われてたみたいに考え方によっては危険な方向に行くんだよね(これもどこかで小耳に挟んだ程度のことはあった…のですが)。なかなかそれが明らかにならなかったので考えながら見させてもらいましたが、出てきた時はそーゆーことかと頷きました。映画の主軸は、ロボットの反乱ではなく、ロボットは反乱していない原則に従って行動したまでだでもそれは…、の方でした。これが予告とのズレなんです。が、こっちに逸らした(?)のが単純じゃなくするのに一役買ってたと思う。ヒューマンドラマです、この映画は。ターミネーターが実際に起こった映画だと思ってましたから、感情論の方に行ったのはかなりツボでした。サニー(これの綴りがSONNYなのは何か意味があるのか…考えすぎか…)も良い味出してたし。彼(と呼ばせて下さい)がカルビィン博士を助けるところと、ラニング博士を殺したと話すところが印象的でした。実際どうすべきだったのか、彼の立場に自分があったとしたら、わからないですからね…誓ったとしても人を殺せるのかな…。決断を見せなかったラストも好きです。あとはスプーナー刑事が14%(だっけ?)で十分だ、と言った場面(でもこれは、実際生存確率が目の前に見えていたら、どっちを助けてしまうか私には分かりません)。
■実は個人的に人工知能を研究したいかもとか思ってるので(悪魔でも可能性のひとつですが)ちょっと考えさせられました。最初は感情を持つから人を殺すと思わせておいて、実は感情を持たないからこそ、という風に持っていくストーリーが見事。どっちが正しいんだろう。感情=欲というのは切り離せないから。どうせ研究するなら感情に挑戦してみたいそれが地獄への扉だとしても、こう思うのは研究者の性なんですかね…知らない内にもう戻れないところまで行ってしまってることもありますし…現代がそうかもしれませんし。昔、どこかのドキュメンタリー記事で人工知能の研究者か何かにインタビューしてて「もしその感情を持つロボットが完成したら何を尋ねたいですか?」という質問に「神が存在するかどうか」という答えが返ってきてたのが未だに衝撃です。人間に答えられないこと。もし完璧な感情と知性を持つものがいたら聞いてみたい。これってすごいことだと思いませんか?
■うーむ、上手く言葉に感情をこめられない。言いたいことが書けてない。衝撃が大きい映画ほどこうなりがちです。とにかく良い映画でした。
■見方によってはこの通り→アシモフの「ロボット3原則」を採り入れたSF映画『アイ,ロボット』:ちょっとむかつきますけど共感できるところはできる。ここまで言い切らなくとも…ですけど。映画を観る=娯楽っつーのは大半の人がそうだと思うし、悪くない。楽しめればある意味それで良いし。SF経験(?)が沢山という人もそんなにはいないと思うし。一般人的感覚としてはこのくらい、ちょっと気付かなかったことを面白く、はっとさせてくれる映画が一番だと思います。個人的趣向です、が、ちょっと。
★★★★★