校庭に、虹は落ちる

校庭に、虹は落ちる (新潮文庫)

校庭に、虹は落ちる (新潮文庫)

新潮文庫で出てたので(よんだぱんだのために大量消化中)、タイトルに惹かれて買ってみました。なかなかに好きでした。
■情けない話なんですが、赤川次郎は多分初めてです。そういえばまだ読んだことがなかったような…という感じ。こういう話を書くんですね。ミステリーだけど、ほっとする。ちょっと走れない女の子の編入生がやってきた。彼女は何かに怯えてるようで。その子の過去が段々見えてきて。事件が起こり。という話です。学校という箱庭的物の中に詰め込まれた大人と子供と社会が見える作品です。軽くさくっと読めてしまう(2時間半くらいでした)ので気軽ですが、終盤は泣けました。でも、なんだろうファンの方には申し訳ないんですけど、素直に楽しめない面もあったりして。何か上手すぎるみたいな、プロットでカチッと書かれすぎてるような。揺れ、みたいな何かが足りない気がしました。確かに登場人物もみんな魅力的で、世界も描写もいいんだけど。
■本当に、大人ってのはむかつく存在で、でもむかつくよりはほっといた方が自分のためにも心の平穏のためにいいんじゃないかと思う無気力なこの頃です。こうして、自分もいつの間にか社会に取り込まれた大人の一部になってたら嫌だな。