魔法飛行

魔法飛行 (創元推理文庫)

魔法飛行 (創元推理文庫)

■読みました。加納朋子さんは初読みです。感想は、綺麗な書き方だなぁという感じ。特別感動はしなかった、ごめんなさい、好きな方。最近、こういう感想が多いので、私の中の何かが錆び付いているのかもしれない。確かに、良い上手い話ではある。設定も構造もこうあれば綺麗という枠の中にある。私は本に裏切られることと正当であることを求めます。両方。で、この話には裏切られなかった。あまりにも展開が真っ直ぐでした。散らかされるパーツは全て。
■あと。とんでもなく勝手な意見なんですが。私は北村薫が好きです。それで、この本が北村薫の模写に見える。雰囲気が似すぎている。特に、円紫先生と私シリーズに。大学が舞台で、女の子で、図書館で、友達がいて、皆大人になっていって、そこに事件が起きる…あれれ?と思ってしまいました。勝手な勘違いかもしれません。ずっと北村薫を読んでいたので。そして、北村薫の方が上手い。描写の緻密さとかミステリーとしての深さとか。
■塔の上のメッセージとか不思議な友人とかとても魅力的だから、こそ。もう少し力を持って欲しかった。私はそう思います。
■今度は村上春樹風の歌を聴けを読書中。