ルパン三世 GREEN vs RED

ルパン三世 GREEN vs RED 【通常版】本編DVD+サントラCD

ルパン三世 GREEN vs RED 【通常版】本編DVD+サントラCD

OVAなんて初めて買いました。ルパンです。はまっちゃったものは仕方ないです。
5回観ました。なんか、ちょっとずつ認められるようになってきたかも。初回は何これ??でしたが、段々、仕掛けと伏線が分かってくると何となく楽しくもないような…騙されてるかな…。
絵は好き、音楽も好き(カリオストロの曲はあざといけど)、声優はちょっと歳だけどまぁ良いや、動きも悪くない、です。…けどお話が…、難しくし過ぎたんじゃないかと思います。ルパンには、説教はいらない、と思います、個人的に。特に銭形と片山警部の原爆の件とローガンの移植の件はいらなかったんじゃないかなぁと思います。これのせいで主眼がどこにあるかが分からなくなってる。お話が拡散しすぎ。
一方で、ルパンが一杯いるのは絵的に面白いし、ルパンは一人じゃないってのも別に良いと思います。力は手に入れるものである。行動しなければ始まらない。そういう解釈もありです。2ndの最終回の「さらば愛しきルパンよ」もルパンは偽者かもって話だし。監督はルパン好きなんだなと感じられたし。新参者ながら自分もルパンが好きだからこそ、これが感じられたことは嬉しかったです。まぁ…個人的にはルパンは一種のヒーローなので、唯一絶対的な存在であってほしいのですが…。それは解釈の違いなのでいいです。
それから、お話の流し方としては、時間軸の入れ替えのし過ぎはちょっと見辛かったです。最近は複雑なアニメが多いようだけど、こういうアニメを見慣れていない側から言わせて貰えば、こんなのは一回では分かりません。何回観ても発見があるというのもとても大事だけど、一回で分かる面白さも大事だと思うんだけど違うのかな。主軸のところは一回ですっきり分からせて欲しいです。


以下場面ごとの細かい話。大いにネタバレ。

  • オープニングはかっこいい。歴代ルパンにニヤニヤさせられ、緑と赤のルパンのジャケットの演出も楽しい。
  • ギャグは基本的に滑っているような…。スルーせざるを得ません。そのせいか前半がちょっとテンポが悪いです。偽者ルパンの話合いとかウザい…。
  • アイスキューブを盗みに入るあたりは好きです。ロボットは「は?」だけど、あの辺、私と組まない?不二子と、おっさん舐めるな次元と、斬れない五ェ門と、撃てない銭形と、そしてルパンが緑のペイントを撃つあたりはテンポが良くてキャラの個性が出てて、こういうのがルパンだと思いました。ここだけ切り出したらかなり好きかもです。
  • ただ、その後の話はいっそのこと要らないのでは?と思います。完全に蛇足だと思うのですが…。マンガチックにする演出もよく分かりません。なんかなぁ。いつもこの辺で眠くなります。

そんなんで、何となく面白いような違うような。
最後に正直なところを書いておきます。ファンであるというのは、それなりの期待があるので、難しいです。監督は期待を裏切りたくてこういう話にしたようだけど、それはルパンという作品では私はやって欲しくないです。理屈ではどんなルパンもルパンである、という理論も分かるんです。上に書いたように解釈の違いだからいいんです。でも、わがままとして、自分の中にあるルパンらしいルパンを追いかけたい、と思ってしまいます。ファンはみんなそれぞれのルパン像を追いかけてるんだろうな…、この監督もまた然り。このルパンを認められるか認められないか、アマゾンのレビューも見事に真っ二つですが、色んな考えがあって面白かったです。

★★★☆☆