水曜の朝、午前三時
- 作者: 蓮見圭一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/11/27
- メディア: 文庫
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この文章の雰囲気は好きです。静かだけど力がある。亡くなった母からのテープという設定も素敵です。特別に大きな何かが残るわけではないけれど、すっと水のように入ってきて浸透するような小説でした。
大阪万博は生まれる随分前の話だし、私の周りに万博の話をする人もいなかったので、興味深く読めました。ああいう高揚感って良いなぁと思います。物語は差別意識からくる悲しい話なんですが、あの雰囲気の中だとある意味で自然であるような気がしました。全ては流感のようなものなのかもしれません。本当に雰囲気に浸かってうんうんと読めてしまう話でした。
★★★★☆