■面白かった。こういう現代に見せかけたファンタ
ジーというか、好きです。薄い本だけど読み応えがあります。戦争、日本人、死、そんなことについてちょっと考えさせられる。こういうのを読むと
村上龍は天才的だなぁと思う。雰囲気としてはコインロッカーベイビーズに近いけど、あとがきに全く違う方法で書かれた、と書いてあった。物静かで狂気で悲しい。個人的には中盤あたりで感じる、ゲリラ兵士のかっこよさ、その絶対的な強者への憧れの描写が怖かった。戦いに放り込まれた人間の心理はこういうのなのかもしれない。でもその後でその描写を壊すところが上手い。そして、ラストにこういう
異世界ファンタ
ジーにありがちな道を描かなかったところがまた凄い。ちょっとゾクゾクする小説でした。
★★★★★