モモの物語

モモの物語

モモの物語

ブックオフその2。表紙が綺麗だったので。中古なのでオビはなし。むしろこの押し付け的オビがあったら買わなかったかも。さりげなさって大事だよね。
■本文の密度が薄いので軽い気持ちで読み始めたのですがこれがなかなか面白かったです。童話的ですが、星の王子様とは違うなぁ。あれほど深くは無さそうです(というかあれは一種の哲学か国語の教科書の文章のようだと思う)。軽くてさらさら読めるんだけれど素敵で綺麗な物語です。まるで全部が夢のような。決して主人公にとって幸せなことばかりではないのですが、その現実感と巡り合う運命の現実感の無さの混合具合が心地良いです。映画で「ウォルター少年と、夏の休日 コレクターズ・エディション [DVD]」を思い出しました。先週テレビで放送されてたのでちらちらと見たからかもしれませんが、私の中では正にあんな雰囲気。
■ただ私はスーフィズムについて世界史で習うくらいの知識しかないので(しかも読むまで忘れてた)その辺の細かいところを汲みきれてないような気がします。無神論者というかそんなこと真剣に考えたことの無い典型的な日本人の自分としては、海外物はこの宗教の概念が辛いです。もっと勉強しないと。
■あとがきを読んでいたら、元は演劇で3部作の内の真ん中と書いてありました。演劇版の台本を読んでみたいし、前後の作品も読んでみたいです。

★★★★☆