銀の檻を溶かして

■東京は今夜も霧ですね。嘘です。東京は今夜は雪ですね。何か都会に降る雪を見ると宮部みゆきの「魔術はささやく」を思い出すのです。大好きな本です。それの鍵になる台詞。それを何故か私は「霧」のところを「雪」だと記憶していまして…(私の頭の中では結構記憶の入れ替えによるエラーが頻発します)。なので雪でこの台詞を思い出すという…。私だけだろうなぁと思うことの1つです。
■というのは、今日読んだ本には関係ないですが。ただ、この本の中でも雪がキーになってたので、現実とシンクロしてちょっと趣深かったかなぁと。こないだの前の巻を読みました。

銀の檻を溶かして 薬屋探偵妖綺談 (講談社文庫)

銀の檻を溶かして 薬屋探偵妖綺談 (講談社文庫)

■またしてもライトノベルな表紙にちょっと恥ずかしながらもレジへ。まぁこの表紙でなかったら手に取ることも無かったかと思うとある意味で成功しているのかもしれない。
■こないだ読んでいた「黄色い目をした猫の幸せ」よりは読める内容でした。トリック…というかミステリー部分は同じようなものですが…。文章が読みやすかったです。慣れただけという穿った見方もできますけれども、後書きによると実質こっちが2作目らしいので、あながち間違ってないかなぁと。
■キャラクターもこっちのほうがよく書かれています。何気なく出てくる脇役が実は魅力的なところが好きです。寺の息子とか定年間際の刑事とか。主人公たち3人も良いのですがね…彼らはあまりに3つに綺麗に割った王道過ぎて素直には好きになれません。
■しかし、ミステリーは何かお粗末な印象です。その飛び方は良いのか?みたいに。最後になってから必要な人物がバタバタと出てくる感じだし。伏線は伏線と書いてあるようなものだし。もうちょっと練られていても良いんじゃないかなぁと思います。最近ミステリー漬なので求めるものがガンガン高くなってる気がする…。
■あとそれから、せっかく妖怪なのだから妖怪である部分を上手く生かして欲しいなぁと思います。小さくなって潜入するとかはミステリー的に反則に近いので、そういうのでは無く、何か捻ったものを。出てくる妖怪がオマケに見えるのでちょっと可哀想かなーと。いやそういう方向の話が読みたいだけかもしれない。次は何を読もうかまた考えます。
★★☆☆☆